本展示についてご提出いただいた展示物実施報告書から、4館の活用例を抜粋して共有いたします。
■展示期間:2024年6月8日(土)~2024年7月15日(月・祝)
■展示物に対する入場者の反響
・ゴキブリの脱皮を初めて見た。ちょっと気持ち悪かったけれど、おもしろかった。見たくなかったけれど見たくなるという変な気持ちになった。
■展示物に対する意見・感想
・多くのお客様は動画にあった虫の脱皮などを見たことがなく、衝撃を受けていた。しかし、ゴキブリなどの見方が変わったというお客様もあり、とても良い展示会になったと思う。
・実物の標本を見ることが出来たことで、大変喜んでもらえた。
・本館独自の取組として、害虫の折り紙や害虫の塗り絵のコーナーを設置したり、「カメムシ君をさがせ!」という簡単なイベントをおこなったりすることで、小さなお子様にも展示に興味を持ってもらうことが出来た。
・ネーミングが面白い!という声がありました。
■展示配置イメージ
「カメムシ君をさがせ!」は簡単な宝探しの様なイメージです。
開催日時:土日の午前中のみ
募集人数:土曜20組、日曜40組(予約受付なし)
事前準備:折り紙(切り紙)で作成された昆虫を、あらかじめ館内の数カ所に貼り付けておく。
イベント:①「折り紙の中から虫たちが抜け出て館内探検に出かけた」という設定のもと、館内放送で呼びかける。
②イベント広場にて、参加者に用紙を配布・説明をしてゲームスタート。
③正解者には受付でご褒美シールを貼り付ける。
※番外編 館長には別の昆虫(クワガタ)を、背中に貼り付けた状態でフロアワークをしていただき、それを発見した人には特別キラキラシールをプレゼントしました。
工夫した点:
・可能な限り参加状況をモニタリングできるよう配布する参加用紙は色付きのものとしました。
・用紙以外にシールを貼って欲しいという要望があったが、剥がれやすく館内ゴミになりやすいので、なるべく所定の用紙に貼りました。
■展示期間:2024年7月23日(火)~7月28日(日)
■入場者の展示物に対する反応
来場者アンケートから
・とても大きなゴキブリがいるとはおもいませんでした。たのしかったです。
・ゴキブリの脱皮シーンがとてもよかったです。
・G がすごかった… ダニも見られてよかったです。
・ゴキブリを360°から見られておもしろかったです。
・ダニの小さいのから大きいのまでおもしろかった。
・顔当てクイズが面白かった。容器に入ったゴキブリも!
・ゴキブリも見られたし、ゴキブリの産卵やうか、だっぴが見られて楽しかった。
・『へーっ』がたくさんあっておもしろかったです。確かにクワガタ、カブトも家の中にうじゃうじゃいたら、いやだわ
・いろいろな虫のひょうほんをはじめてみた。
・普通は見られない物が見られて、楽しかった。
・リアリティ満載でよかった。
■科学館としての意見・感想、また展示について工夫したことがあれば教えてください。
「家の中のおじゃま虫」というテーマに興味を持ち実施を決めたものの、届いた標本などを見ても、はたして来場者の反応はどうだろうと少々心配でした。
DVDは、来場者個々の感性を考慮して、見たい人だけが見ることができるように、モニター前に衝立を立てて常時放映することにしました。
しかし、親子で標本を手に取って楽しそうに観察しているところを見ると反応は良好で、DVDも多数の人に鑑賞していただき安心しました。
アンケートでも不快だったという声は、全くありませんでした。
当館では、『夏休み科学展「身近な虫たち」』として埼玉県生態系保護協会春日部支部の協力を仰ぎ、「自然の中で働く虫たち」と「家の中のおじゃま虫」という二つのテーマで会場を作り、どちらも自然界に必要な同じ生き物なのだということを理解してもらうようにしました。
また、夏休み企画なので、会場に昆虫ぬりえ、おりがみ、ペーパークラフト、昆虫つり、昆虫図鑑などを用意し、親子で楽しんでいただく工夫をしました。アンケートにもあるように、顔当てクイズのような参加型の要素があると喜ばれるようです。
標本などは、私たちの手で作成することは難しく、身近な公民館で専門的な資料を目にすることができる良い機会となりました。今後も巡回資料を利用し、展示内容の趣旨に沿って内容を膨らませ有意義な催しにする工夫をしていきたいと思います。
■展示配置イメージ
■展示状況写真
■展示期間:2024年9月7日(土)~10月27日(日)
■入場者の展示物に対する反応
扱っているのがゴキブリやダニなどの害虫であるため、苦手に感じる方も多いのではないかと予想していたが、展示してみると興味を持って見学していく来館者が多かった。
また、「おじゃま虫」というタイトルのかわいらしさが、害虫に対する嫌悪感をやわらげていたようで、タイトルパネルに興味を持って展示スペースに近づく様子がたびたび見られた。
実物標本の展示の中では特に、マダガスカルオオゴキブリの標本は、日本に生息していない種類で大きさも十分あったので、「こんな大きな(派手な柄の)ゴキブリもいるんだって」などと家族で話しながら見学している様子が見られた。
液浸標本の吸血したマダニの大きさもインパクトが強く、「こんなに大きくなるんだ!」と来館者が驚いている場面もあった。
パネルについては、「害虫顔当てクイズ」のパネルのあみだくじを体験する方が多く見られた。
その他のパネルや動画、書籍「きらいになれない害虫図鑑(有吉立著)」は、時折じっくりと見ている来館者の姿が見受けられた。
■展示物に対する意見・感想
身近にいる様々な害虫をとりあげるというコンセプトがよく、またタイトルの響きの良さも相まって、来館者にも興味を持って見学してもらえていたようだった。
マダガスカルオオゴキブリの実物標本や脱皮直後のゴキブリの映像など、なかなか見られない姿を通して、害虫(特にゴキブリ)への興味や知識を深めてもらえたと感じている。
ダニやシラミの液浸標本については、当初は展示していたが、来館者が落として破損したり、無理やり開封されてしまったりするトラブルがあったため、期間の途中で展示を取りやめることとなった。
液体の中で標本が沈んでしまうので、手に取って観察できる形で置いていたが、直接さわらなくてもよく観察できるようにする展示方法の工夫が必要だったと考えられる。
※24年度はこのまま液浸標本を貸し出します。25年度にアクリル標本に差し替え予定です。(事務局より)
■展示配置イメージ
■展示状況写真
■展示期間:2024年11月9日(土)~12月22日(日)
■入場者の展示物に対する反応
ゴキブリなどの害虫に子どもたちは「キャーキャー」言いながら展示を楽しんでいました。
虫に対する嫌悪感を和らげ、害虫の知られざる側面を紹介することで、自然界に必要な生き物であることを理解してもらうことが出来たと思います。
■展示イメージ